2019年 輸入小麦の政府売渡価格の改定について



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平成31年3月8日、農林水産省は、「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成6年法律第113号)第42条第2項」に基づき売り渡す輸入小麦の平成31年4月期の政府売渡価格を決定しました。

政府売渡価格の改定内容

  • 輸入小麦の直近6ヶ月間(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)の平均買付価格は、小麦の国際価格に大きな変動がない中、海上運賃が下落したことにより、前期に比べ低下しました。
  • この結果、平成31年4月期(平成31年4月~)の輸入小麦の政府売渡価格は、政府売渡価格の改定ルールに基づき、直近6か月間の平均買付価格を基に算定すると、5銘柄加重平均(税込価格)で54,630円/トン、1.7%の引下げとなります。
  • なお、TPP11協定に基づき、カナダ・豪州産小麦については、マークアップの引下げが適用されています。
(単位:円/トン)
政府売渡価格 30年10月期 31年4月期 対前期比
5銘柄加重平均(税込み) 55,560 54,630 ▲1.7%

小麦の流通の概要

  • 小麦は需要量の約9割を外国から輸入。国内産小麦は民間流通により取引されており、国内産小麦では量的又は質的に満たせない需要分について、政府が国家貿易により外国産小麦を計画的に輸入し、需要者に売り渡しているところ。
  • また、米とは異なり、最終的にパンや麺として消費するため、各種の加工工程を経て流通。
  • 小麦は、主に製粉企業が製粉して小麦粉にし、その小麦粉を原料として二次加工メーカーがパン・麺・菓子等を製造。
小麦の流通の概要
小麦の流通の概要

小麦の種類と用途

  • 原料として使用される小麦の種類は、小麦粉の種類・用途に応じて異なっているところ。
  • 小麦粉の種類は、たんぱく質の量によって、強力粉(パン用)、準強力粉(中華麺用)、中力粉(うどん用)、薄力粉(菓子用)に分類。
小麦の種類と用途
小麦の種類と用途

注1:輸入数量及び国内産小麦流通量は、過去5年(H25~H29年度)の平均数量である。
注2:輸入数量は、5銘柄以外の銘柄(デュラム小麦等)31万トンを含む。
注3:国内産小麦流通量は、集荷団体からの聞き取り数量である。

現行の輸入小麦の政府売渡制度

  • 輸入小麦の政府売渡価格は、輸入価格(過去の一定期間における輸入価格の平均値)に、マークアップ(政府管理経費及び国内産小麦の生産振興対策に充当)を上乗せした価格。
  • 国際相場の変動の影響を緩和するため、価格改定は年2回とするとともに、直近6か月間の平均買付価格をベースに算定。
  • 4月期の政府売渡価格については、TPP11協定に基づき、カナダ・豪州産小麦にマークアップの引下げを適用。
現行の輸入小麦の政府売渡制度
現行の輸入小麦の政府売渡制度

穀物の国際価格(シカゴ相場)の推移

  • シカゴ商品取引所における小麦相場は、①EUや豪州等における乾燥天候による減収見込みがある一方、②ロシアの生産見通しの上方修正等があったことから、31年4月期算定期間(平成30年9月第2週~31年3月第1週)の平均価格は前期に比べ大きな変動はない
穀物の国際価格(シカゴ相場)の推移
穀物の国際価格(シカゴ相場)の推移

海上運賃の動向

  • 海上運賃は、燃料油価格の影響により下落し、31年4月期の算定期間では平均47ドル/トン。
海上運賃の動向
海上運賃の動向

為替の動向

  • 為替は、31年4月期の算定期間において、前半は比較的円安で推移したことから、平均113円/ドル。
為替の動向
為替の動向

注:対米ドル直物為替TTS(Telegraphic Transfer Selling Rate:対顧客電信売)

輸入小麦の政府売渡価格の推移

  • 輸入小麦の政府売渡価格は、小麦の国際価格、海上運賃、為替等の動向を反映した買付価格により変動。
  • 輸入小麦の直近6ヶ月間(平成30年9月第2週~平成31年3月第1週)の平均買付価格は、①小麦の国際価格に大きな変動がない中、②為替は円安傾向であったものの、海上運賃が下落したことにより、前期に比べ低下
  • TPP11協定に基づき、カナダ・豪州産小麦にマークアップの引下げを適用。
  • この結果、31年4月期の政府売渡価格は、54,630円/トン、1.7%の引下げ
31年4月期の政府売渡価格は、54,630円/トン、1.7%の引下げ。
31年4月期の政府売渡価格は、54,630円/トン、1.7%の引下げ。

(参考)物価・家計への影響

パンや麺等の小麦粉関連製品の小売価格に占める原料小麦代金の割合はそれほど大きくなく、今回の政府売渡価格の改定が消費生活に与える影響は限定的。

今回(31年4月期)の小麦の政府売渡価格の改定が消費者物価指数に与える影響

▲0.001%程度
※小麦粉製品に占める小麦の価格のみに着目し、当該価格が全て
今回の政府売渡価格の改定を反映していることを前提として試算。

製粉企業の小麦粉価格の改定時期

原料小麦の政府売渡価格の改定に伴い、製粉企業が小麦粉価格を改定するのは、各事業者の在庫状況にもよるが、過去の例では約3か月後。

小麦粉製品への影響額(試算)

(※1小売価格)(※2改定による影響額(試算))

  • 食パン:173円/1斤→▲0.2円/1斤
  • うどん(外食)642円/1杯→▲0.1円/1杯
  • 小麦粉(家庭用薄力粉)256円/1kg→▲1.0円/1kg

(参考)
小麦関連製品の小売価格に占める原料小麦代金の割合

  • 食パン7%
  • うどん(外食)1%
  • ゆでうどん7%
  • 即席麺(カップ麺)2%
  • 小麦粉(家庭用薄力粉)26%

※1:小売価格は、総務省「小売物価統計調査」(東京都区部、31年1月)による。
※2:小麦粉製品ごとの原料小麦代金の割合、原料小麦の価格改定率により試算。
※3:食パン1斤は400gとして試算。
※4:小麦粉製品に占める小麦の価格のみに着目し、当該価格が全て今回の政府売渡価格の改定を反映していることを前提として試算。

 

出典:農林水産省「輸入小麦の政府売渡価格の改定について」 平成31年3月8日