未来の農業技術



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先日、「第8回ロボット大賞」が発表され、農林水産大臣賞として、株式会社ナイルワークスの『完全自動飛行のドローンによる「空からの精密農業」』が受賞しました。

ロボット大賞

「ロボット大賞」は、ロボット技術の発展やロボット活用の拡大等を促すため、特に優れたロボット等を表彰する制度であり、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、一般社団法人日本機械工業連合会と共催されています。

平成18年度から「ロボット大賞」として経済産業省において経済産業大臣賞を交付してきましたが、前回(平成28年度)開催の「第7回ロボット大賞」において、農林水産業・食品産業分野が新設され、農林水産大臣賞の表彰を行いました。

本年、「第8回ロボット大賞」では、第7回に引き続き農林水産業・食品産業分野を含む各分野を設置するとともに、農林水産大臣賞を含む5つの大臣賞等の表彰が行われます。

完全自動飛行のドローンによる「空からの精密農業」

「第8回ロボット大賞」の募集期間(平成30年4月23日~6月29日)に寄せられた全161件の応募の中から、「第8回ロボット大賞審査特別委員会(委員長:川村貞夫 立命館大学教授)」の審査により、各賞の表彰対象が決定されましたが、農林水産大臣賞は、株式会社ナイルワークスの『完全自動飛行のドローンによる「空からの精密農業」』に決定されました。

農林水産大臣賞

  • 名称:完全自動飛行のドローンによる「空からの精密農業」
  • 受賞者:株式会社ナイルワークス
  • 概要:農業用ドローンおよび生育診断クラウドサービスを稲作農家向けに提供する農業ビジネスで、ドローンを作物上空30~50cmの至近距離を飛行させることにより、薬剤の飛散量を大幅に抑えるだけでなく、作物の生育状態を1株ごとにリアルタイムで診断し、その診断結果に基づいて最適量の肥料・農薬を1株単位の精度で散布する新しい精密農業の実現に取り組む。
  • 評価のポイント:自動運転や自動散布、生育自動診断といった技術がドローンを活用したサービスとして実装されており、低空飛行ドローンによる新たな精密農業に取り組んでいるという先進性および独自性を高く評価。開発に当たっては農園と一体となって現場の課題を解決しながら進めており、米以外の農作物への応用の可能性があるなど、スマート農業の推進という観点からも今後が期待される。

 

ナイルワークスの農業ドローン

株式会社ナイルワークスは2015年に設立されたドローンの企画製造販売会社です。

完全自動飛行。特別なスキルは不要!

事前に圃場の形を測量し、タブレットに登録するだけで、飛行経路が自動で設定されます。散布時は、操作タブレットの「開始ボタン」を押すだけで、離陸・散布・着陸までを全て自動で行います。12種類のセンサーによる位置制御で、±2㎝の水平位置精度と±5㎝の高度精度の自動飛行を実現しています。

圃場全体を均質散布!

上下2枚のプロペラを逆回転させて作る真っ直ぐな気流と、作物上空30~50㎝の超低空飛行により、薬剤を作物の株元まで付着させます。薬剤特質にあわせ、飛行の高さや散布幅が自動設定され、均質に散布できます。

生育診断サービス!

搭載した生育調査用カメラで、高度30~50㎝の至近距離から、圃場データを取得し稲の生育状態の調査を開始しました。一株単位でのより確度の高い収量予測や、精度の高い可変施肥、除草剤や殺菌剤のピンポイント散布の実用化に向けて、準備しています。

仕様

サイズ 幅1800mm 奥行1400mm 高さ700mm
重量 17Kg(機体12Kg、バッテリ5Kg)
農薬積載容量 8L(液剤散布装置) ※粒剤散布装置は、準備中
農薬散布幅 3m
噴霧ノズル数 4
農薬散布面積 1ha
飛行時間 15min(8L散布時)~20min(非散布時)
飛行速度 最高時速20km
飛行高度 30cm~2m
飛行方法 自動運転
クラウドサービス 圃場管理、農薬散布履歴管理

 

産業用ドローンでは自動運転が標準的な技術となってきています。また飛行高度を30cm~2mと制限している技術は、今後の農業用ドローンの主流となりそうです。

今後は農薬散布以外の使い方として、害虫防除電磁波ドローンなど来ても良さそうです。