昭和23年の銭湯



Pocket

平成27年3月末現在の公衆浴場の営業許可施設数は2万6,221施設、うち、一般公衆浴場は4,293施設となり相変わらず減少しているそうですが、当時の面影を残す銭湯もいくらか残っています。今回は、そんな昔ながらの銭湯「喜楽湯」を訪ねます。

喜楽湯は、宮崎県は延岡市の大瀬川という大きな川の横に位置する銭湯です。おかみさんによると、昭和24年に開業したそうで、特徴としては、当時の施設がそのまま残っている!ということです。

宮崎県延岡市 昭和24年創業の銭湯 喜楽湯
宮崎県延岡市 昭和24年創業の銭湯 喜楽湯

古民家好きとしては、当然、銭湯も好きですが、年々閉店が増える一方で、施設をマンションと一体的に運営していくことで生き残りをかけている銭湯もあります。今回の喜楽湯は、昭和24年当時から、大きな改修もなく、当時の銭湯がそのまま残っているという点で、大変レアな銭湯であると言えます。

午後16時ころの訪問であれば、ほぼ1番湯です。(15時開店)

喜楽湯の入浴料は、大人350円、小学生130円、未入学者は60円と、大変リーズナブルです。

水色で統一された木製壁は、何度も塗りなおしたのか、年季を感じさせます。

喜楽湯
喜楽湯

喜楽湯の湯舟は、中央に配置された丸形です。奥に半円の二分割湯舟がありますが、現在は使用されていません。最近の銭湯は、入り口奥または左右に湯舟が配置されていますが、このような中央配置の湯舟は昭和20年代に複数作られたと思われ、浜松駅徒歩10分の「巴湯」も同様です。(巴湯は中央長方形角丸型)

喜楽湯の湯舟は中央丸形。奥の半円は現在は使われていない。
喜楽湯の湯舟は中央丸形。奥の半円は現在は使われていない。

男女の湯は、光を通す曇りガラスで仕切られ、その上部には地域の広告が掲載されています。何度か更新があったと思われますが、写真中央の「新型マイクロバスをどうぞ」は、明らかにレトロ感があり、昭和中期の最先端バスであると推察されます。

このように、銭湯に掲載されている広告は、頻繁に更新しないこともあり、古い銭湯であるほど、そのまま放置された広告が多いと思います。ぜひ、このまま残していただきたいものです。

浴槽内の広告も、当時のものと思われる。
浴槽内の広告も、当時のものと思われる。

創業から70年近く経っているとはいえ、当時の木製ロッカーも健在です。鍵はなくなってしまっていますが、よくあるプラスチック貼りのロッカーに更新することもなく、このまま使い続けていることに、たいへんおどろきます。
この木製ロッカーは、天然木をふんだんに使用しており、現在同じものを作ろうとしたら、100万円は軽く超えると思います。

昭和24年創業 銭湯の木製ロッカー
昭和24年創業 銭湯の木製ロッカー

青い壁を背に置かれた木製ベンチは、70年の歳月の中で、多くのおっちゃんの尻を支えたのでしょう。座面の塗装が擦り切れていますが、それでもガタもなく、まだまだ現役のようです。

年季の入った木製ベンチ
年季の入った木製ベンチ

訪問時期は夏ですので、すべての窓が解放されています。入口も同様です。入口すぐには、つい立てがありますが、わずかに外が見えるようです。おおらかで良いと思います。

脱衣所から外が見える。逆もしかり。
脱衣所から外が見える。逆もしかり。

日本の文化を語るうえで、銭湯は欠かせない重要なキーワードの一つではないでしょうか。
最近はスーパー銭湯なども増えてきていますが、あえて、地域の銭湯に行ってみるというのも、レジャーの一つかと思いました。